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#90 あの村、あの校舎
~あの村、あの校舎~

秋が終わって冬を迎える。ここ数年、この時期にいつも思うことがある。「あの村、あの校舎、この冬もたくさんの雪が降り積もるのだろうなぁ‥」

あの村とは、岐阜県の豪雪地帯にある『越波(おっぱ)』という集落。あの校舎とは長嶺小学校越波分校のこと。この山深き山間の美しい集落が、冬季に無住となってから何度の冬を越したことだろう。この周辺の他の集落も『越波』同様(周辺といっても集落間の距離は半端ではないが)、秋の終わりには山仕事や畑仕事が終わり、豪雪に備えての冬支度がされた後に無人となる。そして残された家屋たちは、降り積もる雪を静かにやり過ごす。しかし冬ごとの、何メートルも積もる雪の重みに堪えきれず、姿を消した家屋も多いはず。冬が終わるたびに少しずつ、時には大きく姿を変えてゆく集落の風景‥。次の春にも、今と変わらぬ景色を見せてくれることへの願いがこめられた支柱が目にとまる。

この秋にも『越波』を訪れて、美しい里の秋を味わった。山、小川、青い空、老家屋、畑‥静かな集落は、冬季以外は畑仕事をする人の姿も見ることができ心和む。そのいかにも故郷という雰囲気が私は好きだ。そういえば昨年夏に訪れた時は、越波の美人三姉妹にお話を伺い、その年の秋の訪問では、エゴマの収穫の様子を見せていただいた。静かな村の中で、収穫作業の機械音と作業をする男たちや女たちの声が時おり響く中、かつての活気ある頃の村をイメージしたものだ。

道沿いに細長く並ぶ集落の中央部には美しい古びた木造校舎が今でも残る。いかにも村の分校という雰囲気で、塗装も当時のままなのか、かなり古びて皮膜も剥がれかけている。それがまた過ぎた年月を感じさせてくれ、さみしくそして美しい。この風景を見ながら、校舎に多くの子供たちの声が響いていた頃の時代を思い、そしてその先の風景を考える。

この冬もおそらく多くの雪が降り積もり、村の風景をモノトーンに変えることだろう。そしてしばし時間が止まったかのように静かに眠り、静寂の中で次の春を待つ。








http://www.geocities.jp/kondodoraibuiko_ne021/index.html
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【2006/12/25 00:00】 | 岐阜県山村・廃村・自然 | page top↑
#89 ロケ
~ロケ~

昨日(2006.12.16)の読売新聞の「滋賀県民情報」に、NHKの朝連ドラマ「芋たこなんきん」のテレビ番組ロケのことが書かれていた。ロケ地となったのは、以前このコーナー(#51)でも紹介したことのある滋賀県蒲生郡日野町にある旧鎌掛(かいがけ)小学校。残念ながら私は見ていないのだが、主人公の少女時代の学校生活のシーンで使われ、10月下旬~11月初旬に放送されたという。鎌掛小学校は、静かな集落の中心にある美しい木造校舎だ。この学校自体はすでに廃校となっているが、違う用途で現在も使用されており、今も内外とも美しく保たれている。特番ドラマ「二十四の瞳」で使われた余呉町の丹生小学校(#23#67)といい、この鎌掛小学校といい、今となっては貴重な存在となってしまった滋賀県の木造校舎、その美しさを多くの人たちにテレビを通して知っていただけるということは、大変喜ばしいことであると感じる。

ロケといえば、こういうロケもあった。舞台は鈴鹿の山中にある彦根市の廃村『男鬼』。詳しい撮影年月はわからないが、ホラー映画の「ノロイ」という映画のロケ地として使われたのである。『男鬼』は四季折々の美しい風景を見せてくれる集落で、大好きな集落のうちの一つだ。題名からして悪い予感がしたが、「やはり見ておこう」と思いDVDをレンタルした。映画がスタートしてもなかなか『男鬼』は出てこない。やっと出てきたと思ったら、恐怖感を出すためか、妙なデジタル処理がされており訳がわからなかった。これだと別にわざわざ『男鬼』まで来てロケしなくてもいいのでは?なんて思ったが、これは作者の感性、とやかく言うことではない。せめて美しく見せてほしかった‥など個人的には感じてしまうのだが、まあ、大体からして私の見る観点がおかしいのだから仕方のないこと。

私はホラー映画は好きなほうで偏見はないつもりだが、やはり映像は美しくなければならないと感じる。現実ではなく映画なのだから、美しく怖がらせてほしいのである。「学校の怪談」では美しく懐かしく木造校舎が撮られていて、それが映画の中で非常に効果的であった。また、ホラーではないが映画「八つ墓村」では連続殺人のシーンでありながら『鷲見』の集落の美しを感じさせてくれた。先の「芋たこなんきん」は見ていないのでわからないのだが、どんな映画であろうと、自分のお気に入りのものはやはり美しく見せてほしいなぁ、など勝手に思ってしまうのである。








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【2006/12/17 00:00】 | 木造校舎・廃校 | page top↑
#88 湖底の橋
~湖底の橋~

そういえば今年の初めに永源寺ダム(滋賀県東近江市)を通りかかった時も、雪景色のダム湖の湖底にこの橋を見た(「たまに一言#46」)。しかしその時はかなりの積雪の為、湖底に降りていくことができず、残念な思いをした。かつては集落だった風景も、大半の時間を冷たい水の中ですごすことで様相を一変させる。泥で彩られた風景は妙な統一感を感じさせ、モノトーンの世界を作り出す。湖底の風景、それを目にする時、何ともいえない切なさ・寂しさを感じるとともに、その風景の神秘的な美しさにも惹かれてしまうのである。

今回の永源寺ダム減水のために現れた風景を目にしたのは、もう日が沈んで辺りが暗くなってからだった。足元が真っ暗にならないうちにと、早速湖底へと降りていく。薄明かりの中に浮かぶ湖底の風景は何とも幻想的だ。しかし光が少ない中での撮影はシャッタースピードが上がらず、手ぶれの連続。といってフラッシュをたけば、この幻想的な風景の美しさは全く表現できない。三脚を使うような繊細さを持ち合わせた人間でもない。そこでノイズ覚悟で感度を上げる。ブレは免れないものの、何とか撮影可能な状態となり、思わずニヤける。沈んだ日の残り灯を頼りに写真を撮りまくる。ますます光は少なくなる。時間との戦いだ。撮影後の液晶に移る湖底の風景を見て再び驚く。実際以上に幻想的に写っている。

翌朝、再び湖底の橋を訪れた。前夜は暗く危険だったので橋の近くまで行けなかったが、この日は実際に橋を渡ってみた。昨年雪景色の中で見た時は、間違いなくコンクリート製だと思っていたこの橋だが、実は木製だった。二十数年間の水の中の生活を送る‘樋之谷橋’、は、橋げたが一部折れかかっているものの、まだまだ元気そう。厚く積もった泥をものともしないその姿が、何かたくましい。村ありし頃は多くの人、車、自転車、リヤカー‥を運んだ橋も役目を終え、ダムの減水時にたまに姿を見せてくれるだけ。だがそのたくましい姿を見て、私の中の切なさがいくぶんやわらぐ。

時折姿を現す樋ノ谷橋。ここを毎日普通に渡っていた人たちは、この風景を見て、どのように感じるのだろう‥










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【2006/12/09 00:00】 | ダム | page top↑
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