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#174 春の香の木造校舎
~春の香の木造校舎~





ここ数日、やや冬らしい姿を見せてくれてはいるものの、今年の冬はやけに暖かい。いつもならば白く見えるはずの滋賀県周辺の山々の風景も、全く雪がなかったり、まるでゴマ塩をふりかけたような雪山の風景となってしまっている所も少なくない。この時期は例年ならば県内の雪景色を求めて近くの山村に撮影に行くはずなのだが、今年はあきらめざるを得ない状況がほとんどだった。

暖かい冬のある日、そんな滋賀の山々を越えて福井県のある廃校(木造校舎)を訪れた。やはりこの日も気温は非常に高く、前日には地域によっては25度を超えているところもあったという。道中の山間部も、雪は残ってはいるものの‘雪の風景’というのとは程遠く、一部の日陰などに融け忘れたかのような雪が見られるだけといった感じ。このまま暖かいまま春になってしまうということはないのかもしれないが、それでもおそらくこれら残雪が例年よりずっと早く姿を消してしまうことは間違いないだろう。

この日訪れたのは小浜市の堅海(かつみ)という集落にある、平成3年に統廃合により閉校となった堅海小学校(中学校は昭和46年閉校)。この木造校舎、建物の一部はすでに取り壊されてしまって現役の頃の完全な姿を見ることはできないが、残された校舎だけでも当時の面影を十分に感じさせてくれる。グランドへと入る校門付近には見事な老木が今も残る。かなりの樹齢と思われるこの老木、開校当時からこの堅海小学校をずっと見守ってきたのであろう。その老木に並ぶのは、たくさんの桜の木。グランドの周囲を囲む桜の木は春になればきっと見事な花を咲かせるはず。それらの木々を見ながらグランドに目をやると、今も残る木造校舎の姿。低い山を背景に田園風景の中の木造校舎はポツンと寂しげでもあり、誇らしげでもある。色あせた木造の壁面を見るとその歴史を存分に感じさせてくれるのが嬉しい。海に程近い冬のある日の集落風景であるが、ここだけを見ると山の集落の春の風景なのである。

一通り周囲から撮影し校舎に近づいていく。ふとグランドに目をやると白いタンポポの姿、そしてさらに近づくと清楚な白い水仙の花が目に入る。廃校となったのが平成3年というから、20年近くもの歳月が流れていることになる。この水仙の花が当時に植えられたものの名残かどうかはわからない。それでも水仙のこの可愛らしい姿を見ると、子供たちの声でにぎやかだった当時の姿が勝手にだぶってきたりする。アップで撮ろうと水仙に顔を近づける、するとほのかに香ってくるのは春の匂い。久しぶりのような、そして懐かしいような水仙の香。今まで水仙の花の匂いを意識したことはなかったが、今回は廃校となった木造校舎をバックに香ってきたこの春の匂いは、何とも爽やかで新鮮なものに感じられた。いつもならば雪景色を味わうこの時期に、新春の風景。春の訪れというには早すぎるはずのこの日、思いっきり春を感じることができたのも新鮮なこと。地球温暖化という心配ごとをしばし心の隅に追いやり、この春を味わう。

青空そして田園風景、時折聞こえる集落の人たちの声、残念ながらこの校舎に子供たちの声が聞こえることはもうないのかもしれないが、この美しい木造校舎の風景は訪れる者にほのかな癒しを与えてくれる。そしてこのような古き木造校舎を大切にし、今も残し続けている人々の温かさを伝えてくれるのである。









http://www.geocities.jp/kondodoraibuiko_ne021/index.html
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【2009/02/20 02:34】 | 福井県山村・廃村・自然 | page top↑
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