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#104 海辺の村の木造校舎
~海辺の村の木造校舎~

1993年の地図を頼りに、いくつかの学校を訪ねてみた。今から14年ほど前の地図である。訪れた地域は京都府北部の舞鶴市、舞鶴湾東部の大浦半島。現在、多くの小学校が統廃合により消えており、その現実を、まだ訪れたことのないこの地で実際にふれてみたかったのである。ネット時代の世の中、インターネットで調べればすぐにわかることなのであるが、あえて下調べをすることなく訪れてみたのは、より現実を生々しく感じてみたかったからだ。舞鶴市を選んだのは、まだ訪れたことの無い身近な地域だからということで、特に強い理由があったわけではない。

最初に訪れた学校は、大丹生小学校。舞鶴湾の入り口付近に位置する海に面した小さな漁村『大丹生』。その中で学校はすぐに見つかった。しかしすでに校舎はなく、その跡と思われるグランドの横には立派な鉄筋の体育館のような建物。そしてその建物に隠れるように学校跡の碑が見える。その碑には校歌と平成5年閉校という文字・・。予測はしていたものの、やはり廃校という現実に気持ちは沈む。

次に大丹生より6kmぐらい北東にある『三浜』という集落を訪れた。そこは海水浴場のある、山と海に挟まれた小さな集落。その集落の中に、14年前の地図では丸山小学校と学校名が記されている。もう校舎は無いのだろう、と期待せずに車を走らせる。三浜という何とも古びた雰囲気のバス停を過ぎると、程なくして見えた学校の姿に思わず声が出る。何とも美しい木造校舎なのだ。すぐ後に裏山、校舎横に見えるのは海。それらをバックに静かにたたずむ姿が実に美しい。校庭の周りの桜の木が、黒い板張りの校舎の壁面に映える。そして、青いフェンスに囲まれた校庭では野球に興じる地元の子どもたちの元気な姿。一目見るだけで廃校とわかる古びた校舎ではあるが、子どもたちの元気な声が廃校独特のさみしさや切なさを打ち消し、周りの風景とともに何とも爽やかな空気を作り出している。校舎、裏山、海、遊ぶ子どもたち、桜、緑のフェンス、校舎の向かい側に広がる山・・それら全てが合わさっての一つの風景。私にとっては、何とも文句のつけようの無い心癒される風景であった。今この廃校の校庭は、子どもたちの最高の野球遊びの場所となっているのだろう、校舎の窓にはボールから守るべく金属製の網が張られている。それにしても遠慮なく軟球ボールを打ち返す子どもの姿が何とも心地よく爽やかな感じがする。

桜の花はまだ三分咲き。入学式のころにはちょうど満開か。しかし平成10年に120年以上もの歴史を閉じたこの丸山小学校で、桜の花の中を母親とともに歩く新入生たちの姿を見ることはもうない。それでもこの風景の中に、多くの子どもたちの元気な声が響いていた頃の入学式の風景をイメージしてしまう。そしてその自分勝手にセンチになった心を、今グラウンドで遊ぶ子どもたちの声や金属バット音が我に返してくれる。そのことにホッとし、子どもの持つエネルギーを改めて感じたりもするのである。

この学校は平成10年の廃校時、すぐに取り壊しされることが決まっていたそうである。取り壊しを免れた詳細ないきさつはわからないが、今のこの時代だからこそこのような木造校舎の姿に心打たれる人は多い。それを思うと、残されたことの意味の大きさを感じるのである。










http://www.geocities.jp/kondodoraibuiko_ne021/index.html
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【2007/04/03 00:09】 | 木造校舎・廃校 | page top↑
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