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#107 いろいろな風景/海と棚田
~いろいろな風景/海と棚田~

これまでに見たことの無いような風景と出合った時、その受けるインパクトにより様々な思いがわきあがってくる。驚き、感動、喜び、悲しみ、笑い、寂しさ、切なさ、そして時には恐怖や不安なども・・。この日、京都府との県境付近の福井県大飯郡高浜町の『日引(ひびき)』という集落で出合った棚田の風景は、とても新鮮で力強く、そして爽やかな印象を私に強く与えてくれた。

棚田はこれまでにも何度か見てきて、その美しさには大いに惹かれるものを感じていた。しかし実際にそこで生活し田を耕す方たちにとっては、棚田は美しいものというより辛いものなのだろうと思ったりもしていた。急な坂道、機械も入れず作業効率も悪いゆがんだ形、そこで田を営んでゆくには大変な労力が必要なことは素人が見ても明らか。そういった過酷な条件の中で人々の苦労の上に存在する棚田、それでも訪問者にとっては、やはりその風景は日本の山村風景を代表するものの一つとして美しく感じるのである。

これまでに見てきた棚田は、山深き集落の棚田がほとんど。だから当然その周囲の風景も山の緑。しかしこの日見た棚田は、その背景が今までのものとは全く違っていた。『日引』の棚田は、その背景が海なのである。しかもこの日は風がかなり強く、海の波しぶきが海面を這うようにして巻き上げられ、白いしぶきとなって海面を走ってゆく。バックが雄大な海なので、本来なら大変開放的な雰囲気であるはずなのに、その強風と休むことなく海面に吹き上げられる波のしぶきのせいで、広々とした開放感というより、やたらと緊張感の強い不思議な開放感となっていた。のどかな風景が当たり前の棚田であるが、ここでは静かな棚田の風景と、力強くエネルギーいっぱいの海の風景の対比が強烈で、それがとても新鮮に感じられたのである。決して規模は大きくないのだが、初めて目にする者に強い印象を与える日引の棚田だった。きっと天候や季節、時間帯などによって様々な美しい表情を見せてくれるに違いない。

強い風の中、無心で写真を撮っていると、棚田の横の道を登ってくる一台のトラック。ちょうど私が車を停めてある空き地の資材を積みに来たようだ。邪魔になってはいけないと思い、私は慌てて空き地に戻り車をのけようとした。するとトラックの運転手から「大丈夫!」と返ってくる。その言葉に甘えてお礼を言って、車はそのままに写真撮影を続けさせてもらうことにした。しかし後から考えると明らかに資材を積むのに私の車は邪魔だった。おそらく他府県ナンバーで、明らかに観光客とわかる奴が一生懸命に棚田と海の写真を撮っているということに気を遣ってくれたのだろう。何か申し訳ない気持ちと、爽やかな気遣いに嬉しくなる気持ちで一杯になった。そしてその感情が海と波と風と棚田の風景と混じり、日引の棚田の風景は心の中に強く残ることになった。

帰宅後調べてみると、この日引(ひびき)の棚田は「日本の棚田百選」の一つに認定されているということが、わかった。そして写真をもう一度見なおし、改めてその美しさ爽やかさを思い出すことが心地よかった。








http://www.geocities.jp/kondodoraibuiko_ne021/index.html
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【2007/04/22 19:25】 | 福井県山村・廃村・自然 | page top↑
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