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#130 少し早い秋の色
~少し早い秋の色~


もうすぐ紅葉の季節。紅葉の鮮やかな美しさは、誰もが当たり前のように感じることのできる美しさ。そのためこの時期、旅行雑誌などではこぞって‘紅葉特集’などが組まれることとなる。しかしながら紅葉の前の秋の美しさ、これについて語られることは、あまりない。紅葉の鮮やかさがあまりにも目立つからかもしれないが、この控えめな美しさも私は大好きである。

紅葉までまだもう少しあるなぁと感じるある秋の日、久しぶりに湖西地方を訪れた。この地域は距離的にはそんなに遠くなくても、行くにはけっこう時間がかかってしまう。琵琶湖の対岸に渡らなければならないことと、渡った後も大回りするルートしかないからだ。同じ時間かけて高速を走ると十分に岐阜や福井の山間部へ行けてしまうので、ついついそちらへ行くことが多くなってしまう。しかしそこに広がる風景は大変美しく、どの山村を訪れても心癒やされる。

この地域には、まだトタンが被せられていない茅葺家屋が何軒か残っている。前に訪れた時は、屋根の茅の葺き替えをしている家屋があった。そして今回もそれを見た。この先、茅葺屋根を維持していくにはいろんな面で大変なはず。それでも残そうとするところに、老家屋の主の思いを強く感じたりしたものだ。私がここを訪れる時の一番の楽しみ、それはこれら老家屋のある山村風景を思う存分味わうことなのである。

この日は文句の無い秋晴れ。あちこちで、夏の風景とは全く違う彩が見られる。山の緑も夏の緑とは一味違い、まろやかな感じがする。そして、やや黄金色に変わりつつある緑が、やがて来る紅葉の季節への変化をうかがわせてくれる。夏にはあれだけ強く訴えかけていた雑草の強引な緑も、もうおとなしくなり周りの緑とうまく同調して美しいグラデーションを作り出している。暗い杉林を抜けてこの美しい風景が視界に入ってくる時、ためらうことなく車をとめ、そして思う存分に秋の色を味わう。紅葉の秋の鮮やかさとはまた違った、この控えめな秋の美しさの中に身を置き、少し早い秋の色をしばし味わう。

ゆっくりと周囲を見渡す。おそらく以前は田畑や家屋だった所だろう、今は雑草が伸び放題となって荒れるままになっている空き地が目立つ。しかしそこもこの時期には、周りの色と同調した秋の色に変わっている。草原に伸びた雑草の合間から所々に見える老家屋、しかしその多くは既に人の気配が消えてしまっている。今は荒れた草原となっているこの地も、かつては多くの作物がなり、畑仕事で働く人の姿が普通に見られたはず。幸い、少し移動すればそのような風景が見られる今の時代なので、まだその姿をイメージをすることは難しくない。しかし5年、10年‥と過ぎていった時、この風景をイメージすることが難しくなってしまう時代になってしまっているのかもしれない。

今のこの美しい秋の色、老家屋たちが同化した山間の風景、それらは日本の宝だ。そしてそれらを思う存分に味わうことのできる今の自分を、心から幸せに感じる。今は逆方向に進んでいるようにも感じられる社会であるが、やがてはその風景を大事にできる時代が来ることを心から願うのである。










http://www.geocities.jp/kondodoraibuiko_ne021/index.html
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【2007/10/21 22:12】 | 滋賀県山村・廃村・自然 | page top↑
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