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#149 奥川並の桜らしくない桜
~奥川並の桜らしくない桜~

春の廃村。夏場には、何とも重い感じの緑の雑草で全体が覆われ、蒸し上がるような暑苦しさとともに何人も近づけない雰囲気を全面に押し出そうとする廃村も、この時期は様々な色の花や新緑の木々の葉で美しく彩られる。

下界の桜が葉桜となりつつある日、1年ぶりに余呉町の廃村『奥川並』を訪れた。ここを訪れる時は、なぜか曇り空や小雨などのどんよりとした天候となってしまうことが多いのだが、この日はいかにも春らしい爽やかな好天。空には青空が広がり、そこに浮かぶ白い雲が爽やかさをさらに強く演出する。今回の訪問でぜひ見たかったのが、この集落の中央部にある桜の木。昨年の春の訪問でもその花を見ることができたのだが、あいにくの雨。さらに枝全体に雑草がからまっているため幹や枝などの桜独特の姿が確認できず、どうにもこうにも‘桜を見た’という気がしなかった。よく目にする、栄養たっぷりで大地にしっかりと根をはった花見桜とは全く違って、何とも弱々しい感じの細身の桜という感じだった。この‘桜らしくない桜’は、日照時間の短かさゆえのものなのか、それとも周囲の雑草に負けてしまっているからなのか。

早速、集落の坂道の先に見える桜の木へと近づく。周囲の緑の中で控えめに咲く白い花が目に入る。その存在にホッとしながら、さらに近づく。やはりそこにあったのは、他とは一味違った‘奥川並の桜’。全体に雑草がからみつき、どうにも異様な雰囲気なのは昨年と同じ。その枝振りはどう見ても桜とは思えない雰囲気で、一般の桜のイメージとは何か違っている。しかし昨年と大きく違うのは、この日は春の青空をバックに白桃色の花が映えて、何とも美しいこと。からみついている雑草の新緑がみずみずしく、春の彩に花を添えているのも印象的だった。木の下から見上げると、控えめに広がる枝や花が何とも言えずいい感じだ。同じ桜なのに昨年とは全く違って見えるのは、何とも不思議なもの。決して他では見ることのできない‘奥川並だけの桜’など感じてしまうのは、人間の身勝手以外の何ものでもない、ということか。

そういえば『奥川並』では、これの他に桜の木が見あたらない。通常、学校周辺や神社、川沿いなどには必ずと言っていいほど桜の木を見ることができるのだが、ここではそういった跡でも桜を全く見ることができない。集落に人が住んでいた当時は普通にあったものが、人が去っていった後に杉の木などの植林のため全て切り払われてしまったのか‥。それとも元々桜が育ちにくい地であったため無いものだったのか‥。『奥川並』は昭和44年の集団離村。人が去ってすでに40年もの年月が過ぎたことになる。しかしこの桜らしくない桜が樹齢40年以上のものとはどうも思えない。ということは廃村後に生まれた桜ということなのか‥。などなど、一本の桜を見て勝手にいろいろなことを考えたりしたのも、春の陽気の中では心地良いこと。

奥川並に残るこの弱々しくも美しい一本の桜、春の風景の中ではやけに目立ってカッコよく、美しく感じた。廃村の中のたった一本の桜(勝手にそう思っているだけ?)、冬期の豪雪、そして夏の雑草に負けず、この先もその不思議な姿を見せてほしいものだと思うのである。













http://www.geocities.jp/kondodoraibuiko_ne021/index.html
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【2008/04/29 09:24】 | 滋賀県山村・廃村・自然 | page top↑
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