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#153 出会えたもの
~出会えたもの~

ようやく出会うことができた。これまで轢死体は何度か見たことがあるのだが、生きた姿を見るのは初めてである。実際に生の姿を見て、そのユーモラスな動きや見かけのどこかとぼけた感じが、何とも可愛らしく感じた。

鈴鹿のある廃村を訪れていた時のこと。車を降りて林道を歩いていると、15m程前方に何か茶色の動くものが見える。山鳥だろうか?できるだけ足音がたたないように近づいてゆく。四足だ。ということは山鳥ではない。そのまま10m程に近づく。普通ならこの時点で、山で偶然出会う大抵の動物は逃げてしまうのだが、その茶色い生き物はのんびりしているのか、逃げる気配は無い。さらに忍び足で近づく。そして視力の良くない私でも、その生き物の全身を確認することができた。アナグマである。正式にはニホンアナグマというようで、哺乳類・食肉目裂脚亜目イタチ科ということだそうだ。ようするにクマという名がついてはいるが、クマではなくイタチの仲間ということなのである。

なにか盛んに鼻を地面に押しつけ、モゾモゾしながら林道を少しずつ移動している。虫などの餌を探しているようだ。つまり食事中ということ。私が少しずつ近づいても全く気づく様子が無いのは、おそらく食事に夢中になっているからだと思われる。きっと視力も良くないのだろう。私が地面に落ちている小枝を踏んでパキッという音がした時、一瞬食事を中断して顔をあげてこちらを見たものの、気づいた様子も無く、すぐにまた地面を鼻でモゾモゾし始める。やがて林道から横の斜面に移動する。その間もずっと鼻をモゾモゾ地面にこすりつけて餌を探し続けている。最終的には2m弱にまで二者の距離が縮まった。そしてついにアナグマは私の存在に気づくことになった。

ハッとした感じで顔をあげたアナグマ。目と目が合う。一瞬動きが止まった後に我に返り、アナグマは「アチャー!」という感じで驚き、大急ぎで斜面を駆けのぼって藪の中に消えていった。

アナグマの存在を初めて知ったのは、幼い頃に白土三平氏の劇画「忍者武芸帖」を読んだ時。主人公の影丸が率いる影一族の一員に‘くされ’という、アナグマと生活を共にしていた忍がおり、その時の‘くされ’と戯れるアナグマのやさしい姿が私の中に非常に強い印象として残っていた。それ以来ずっと本物に出会ってみたいと思っていたのだが、残念ながら出会えるのは車に轢かれて道に横たわったものばかり。だから今回のこの出会いは私にとって非常に嬉しいものだった。

これまで山で出会った動物たち。イノシシ、クマ、鹿、カモシカ、キツネ、タヌキ、野ウサギ、リス、猿、テンそしてアナグマ‥。空気の悪い都会で育ったためか、これらの動物は童話の世界の中のもの、もしくは全く別世界に住んでいるものだと思っていた。しかし山へ行くようになってから実際に出会うことができるようになり、身近に感じるようになった。何とも言えない驚きと感動だった。これらの中には出会うタイミングによっては大変危険なもの、また人の生活に害を与えるものなどある訳だが、これらの動物たちが普通に住める環境の大事さを大いに感じたりするのである。










http://www.geocities.jp/kondodoraibuiko_ne021/index.html
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【2008/06/16 02:36】 | 自然・動植物 | page top↑
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