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#166 思わぬ光景
~思わぬ光景~


気ままに山村や廃村・林道などを訪れると、思わぬ光景に出くわすことがある。普通に生活している中では、絶対に出合うことの無いような光景。そして私のような人間にとっては、そのような瞬間に遭遇できたことは何ともいえない喜びとなる。

岐阜県の廃村『椿』を訪れた時のこと。『椿』に至るには、最奥の集落から少しばかり車で走らなければならない。幅の狭い川に沿った峡路だ。ほとんど車は通らないとはいえ、見通しが決してよくない道なので、ゆっくりと慎重に車を進ませなければならない。もうすぐ集落入り口あたりという所で、ふと見ると10メートルくらい先に何か鳥らしきものが倒れている。何の種類なのかはわからないが、鳩より少し大きいくらいの鳥だ。車が近づいても身動き一つしないところを見ると、どうやら死んでしまっているようである。私は車でひかないように横を避けてゆっくり通ろうと考えた。そしてそれが前輪タイヤ横あたりに来た時、大いに驚くことになった。

何とその鳥には、蛇がぐるぐるにからみついていたのである。よく見ると、ごく普通に見るシマヘビだ。そのシマヘビが鳩よりも大きいその鳥に巻きつき、締めつけている。鳥は身動き一つしない。スズメくらいの小鳥であればヘビに襲われ丸飲みされるのはよくある話だが、まさかこんなヘビがこのような大きな鳥を襲うことはないはず。おそらく道端で弱っていたのか死んでいたのか、すでに倒れていたこの鳥を見つけてからみついたのだろう、など考えながら車を降りる。そしてドアを閉めて鳥を見にまわる。しかしそこには、あるはずの鳥の姿がない。どこにも見えない。周囲を見渡しても、もちろん車の下ものぞきこんでみても鳥の姿は見えない。今 先程まであった、ヘビにからまれた鳥の姿が見えないのだ。そしてそこには、ただ一匹、鎌首を持ち上げて怒りに満ちたシマヘビの姿があっただけだった。

何が起こったのかわからなかったが、とりあえず急いで成り行きを整理してみた。ぐるぐるに巻かれて死んでいると思われた鳥は実は生きていて、ヘビに襲われているところだった。そこに大きな車が近づき、それに驚いたヘビが思わず獲物の鳥を解放してしまい、その隙を見て鳥はヘビから逃れ飛び去った。そして後に残ったのは、捕獲した大物を逃すことになってしまって怒りに満ちたヘビ一匹だけだった、ということのようである。

それにしても獲物を逃したヘビの怒りは尋常ではなかった。何と獲物を逃がす原因となった大きな敵(私の愛車)に対し思いっきり威嚇の姿勢をとり、そして襲いかかってきたのだ。怒りの矛先は車のタイヤに向けられた。シマヘビは勢いよくタイヤに飛びかかり牙をたてる。しかしゴムとはいえ、固いタイヤがヘビの牙を通すはずがない。それでも何度もタイヤに飛びかかる。怒りの矛先が私でなくてよかった、など思いながらその光景を写そうとカメラを用意した時は、残念ながら既にもうヘビの姿は見えなくなっていた。

あんな大きな獲物を捕らえたシマヘビ、そしてそれを邪魔した自分より遙かに大きな敵(車)に対して、果敢に立ち向かおうとするその勇敢な姿が無茶苦茶かっこよく感じられた。またあんなに大きな鳥をどのようにして生け捕ったのだろう、さらに締め落としたところでどのようにしてあんな大きな獲物を食することができるのだろう、など何とも不思議に感じられた。そして考えれば考えるほど、あのシマヘビがかっこよく思えてきた。写真におさめられなかったことは残念だったが、この光景を見ることができたことは私にとっては思わぬ感動。特別なものではなく、日頃よく目にするシマヘビが主人公だったということが何より輝いて感じられたのかもしれない。この日以来、シマヘビへの印象が大きく変わったことは言うまでも無い。






http://www.geocities.jp/kondodoraibuiko_ne021/index.html
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【2008/10/17 00:19】 | 自然・動植物 | page top↑
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