スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告 | page top↑
#167 最奥の村の黄色い道
~最奥の村の黄色い道~


ダム建設の有無で揺れているこの地‘芹谷’に久しぶりに訪れた。この日も、芹谷の入り口の『下水谷』の集会所前の空き地には多くの軽トラックが停められており、開け放された戸からは多くの人たちが何か話し合っている姿が見られた。その多くが高齢者の方たち。先頃、県がダム建設中止の方針を明確にしたことを受けて、地元の人たちが寄り合っていたのだろうか。この地のダム建設の是非は別として、ダム建設計画によって地元の人々の生活が揺れ動き、行き先の定まらない不安な日々を送ってきたということは間違いない。

その芹谷をずっと奥に進む。この日は休日ということもあり‘河内の風穴’を目当てに訪れる車も時折見られる。風穴手前は非常に道幅が狭く、対向車と出合うと往生する。風穴の駐車場手前に来ると、駐車場の係りの人(オバチャン)が駐車場へと手招きをする。私を風穴目当ての観光客と思ったのだろう。ここより奥へ行く一般人はほとんどないので、そのように思われるのも仕方が無い。しかし私はここを通過して、もっと奥に行きたいのである。何度も手招きをするオバチャンに軽く頭を下げ手を横に振る。しかしそこを通過させくれという合図が通じることはなく、結局窓を開けてその旨を口頭伝えた次第である。それにしてもあのオバチャン、どこかで見たことがあるなぁ‥など思ったりしたのだが、結局思い出すことはできなかった。この辺のあちこちをウロウロして出会う人たちに話を聞いたりしているので、その時出会った方だったのかもしれない。

芹谷には過疎集落や既に人が住まなくなった集落が多い。『妛原』より奥は冬場の雪も除雪されないので、多くの雪が積もる時期には車で訪れることができなくなってしまう。ここを訪れるには、今頃から雪が降り始めるまでの期間が一番いい時期だ。杉林独特の薄暗さはどうしようもないものの、あの不快なジメジメ感が無くなり、ヒルややぶ蚊に襲われることも無い。雑草も少なくなるので、かつての人の跡もよくわかる。この日は最奥の集落『霊仙・落合』を目指した。途中『入谷』に寄るが、やる気満々の数匹のスズメバチがブーン、ブーンと羽音をたせて道をふさいでいたのであっさり退散することにし、そのまま最奥の『霊仙・落合』へ向かった。

『霊仙・落合』。この美しい集落は、年々人の気配が薄くなってきている、そんな感じがする。この日も人の気配はなかった。それにしても、崩れ落ちつつある家屋を整理したのだろうか、何か以前訪れた時よりずいぶんとすっきりとした印象がある。この地を初めて訪れた時から、なぜか印象に残るたたずまいの寺「蓮休寺」は今も健在。昭和23年に本堂が全焼し、その後再建されたというから、人間で言えば約60才といったところか。それにしても自然と一体化しつつあるこの寺の姿は、寂しさを感じるものの実に美しい。本堂やその周辺は自然のもので彩られている。土台の石垣はオレンジ色、本堂前の道は黄色‥等々、通常ではあり得ない色彩で構成されているのに全く違和感を感じさせない。また窓に映った木々の緑と苔むした建物の壁面の一体感も実に美しい。そしてそれぞれが、陽射しから遠ざかる日々を何十年もすごしているこの地の歴史を静かに物語る。

黄色い道、オレンジ色の石垣、今にも木々の緑に溶け込んでしまいそうな一体感ある彩り、その中に浸りきったわずかな時間は、紅葉を前にした‘緑の秋’での最高の時間だった。静寂の中で時折通る車の音にこの村の人の気配を重ねようとしたが、それは全く違ったもの。そしてそれが嬉しくもあり、寂しくもあった。








http://www.geocities.jp/kondodoraibuiko_ne021/index.html
関連記事
【2008/10/23 21:54】 | 滋賀県山村・廃村・自然 | page top↑
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。