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#180 今年の奥川並の桜
~今年の奥川並の桜~





下界の桜が葉桜にかわる頃を狙って,今年も『奥川並(滋賀県伊香郡余呉町:昭和44年離村)』の桜を見に行った。昨年のこのコーナーでも奥川並のこの‘桜らしくない桜’のことを報告し、その時に「奥川並にはこの桜以外に桜は見当たらない」など勝手に書いたのだが、実はこれは全くの誤りだということが今年の訪問でわかった。確かに昨年と一昨年の訪問では、『奥川並』集落内で花を咲かせている桜はそれ一本しか見つけることができなかった。一通り歩いてみても、他の桜を見つけることはできなかったのである。それですっかり「奥川並の桜は一本あるのみ」など思ってしまったのだが、今年の訪問で実際は集落跡には他にも桜の木があるということがわかった。

今年は、その‘桜らしくない桜’の他に3本程の桜の木が、きれいに花を咲かせていた。赤っぽいピンクの花やほとんど白に近いものなどが、この『奥川並』の地を彩っていたのである。白のものはやたら大きな木だが、こちらはほとんど葉桜。それ以外の赤っぽいピンクのものは、いずれも小さくて細く、背も低い。いかにも栄養不足という感じがする。昨年見た‘桜らしくない桜’も、盛りは過ぎた感じだが、まだまだ白っぽい花を誇らしげに咲かせている。その独特の枝振りは健在で、やはり昨年同様、雑草のツルがからまって木の幹はなかなか見えない。短い日照時間の上にあちこちの杉林がさらに日の光を少ないものとする。加えて、のび放題の雑草とツルが光と空気を遮る。このような悪条件の中だが、それでも花を咲かす。私などは、そんなところに大いに美しさを感じてしまったりする。




春の陽気が最高のこの日、山菜採りの人たちがやたら多く、カメラを構えていると「(こんなとこに)何を撮りに来た?」など聞かれる。「桜を撮りに来ました」と答えると不思議に思ったらしく、「ここよりもっと立派な桜が咲いてる」と教えてくれた。桜撮影と言えば、普通わざわざこんな山奥に見栄えのしない弱々しい桜を撮りに来たりはせず、大きく立派な桜を撮りにくるもの。きっと不思議に思われたのだろう。しかし私にとっては、ここの桜にこそ価値があるのである。それでもそのことにはふれず「ありがとうございます」と返し、奥川並の桜の撮影を続ける。

そういえばここの桜に限らず、私は桜の木の全貌にはあまり関心が無い。立派に咲き誇っているものでも、それの全体を撮ることはほとんどない。それよりも近づいて気に入った花びらを見つけて、それだけを撮る。桜の花びらは薄くてとても繊細な感じだ。また白や薄い桜色の色は、とても清楚な感じがする。それらが重なり合い、逆光の中で光を透過し桜色のグラデーションが淡く光り輝く。その美しさに一番の魅力を感じる。だから後から写真だけを見ると、一体どこの桜だかわからないということがよくある。この日も小さな桜の木の中に潜り込むようにして入り込み、気に入った桜の花びらを思う存分に撮ったのである。

この日の『奥川並』は珍しくにぎやか。山菜採りの車が何台も停まり、林道、集落跡内でも人の姿を見かける。こんな『奥川並』は初めてだ。村在りし頃は多くの人の姿が見られたはずだが、林道を歩く何人もの人の姿を見ると、それにちょっと近いものを感じたりもする。いつものように一人静かに廃村の春を味わうことはできなかったが、これはこれでけっこう印象に残る風景。今までとは違った『奥川並』の春もたまにはいいものだなぁ、など感じる。

次に訪れる時は何時になるかはわからない。でもその時はまた静まり返った奥川並の風景になっていることは確かなことである。







http://www.geocities.jp/kondodoraibuiko_ne021/index.html
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【2009/04/21 22:59】 | 滋賀県山村・廃村・自然 | page top↑
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