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#203 棚田とゲートとオバちゃんと
~棚田とゲートとオバちゃんと~






山村などを訪れていろいろな風景の写真を撮ったりするのだが、人物の写真をメインに撮ることはほとんどない。今の時代、無断で撮影するのは気が引けるし、と言ってその度に許可を得ていては、わたしの場合は妙にわざとらしくなってしまって良い写真が撮れない。それでも人物を撮りたいと感じる時、それはよほど画に「残しておきたい!」と思った時。そして今回、そういう時に出合うことができた。それは棚田で仕事をするオバちゃんの姿を見た時である。





この日、とある林道を久しぶりに訪れた。もう舗装されてしまっているが、入り口周辺に棚田の広がる、雰囲気の良い林道だ。勝手知ったその林道の起点を目指して、稲の緑が鮮やかな田の広がる道を走っていると、先に何か見える。棚田が終わろうとするところにゲートらしきものがあるのである。以前はもちろん、そういうものはなかった。「あれ?」と思いながら近づくと、そこには注意書き。このゲートは獸害を防ぐためのもので、通行の際は通る者が各自で開閉するように、というようなことが書かれている。進入禁止でないことにホッとして、まかれているチェーンをはずそうとガチャガチャしていると、棚田で仕事をしていたオバちゃんが近づいてくる。「ここ通るんか?」と言う声に「林道に入りたいんですけど。」と意志を伝える。「なんぼでも入ってもらってええんよ。そやけど動物が入ってくるから・・」という会話をきっかけに少しお話をうかがう。





「イノシシですか?」「ううん、シカや。もう全部食べに来よる・・」と深刻な表情。どうやらこの周辺は鹿の害が激しく、棚田に植えられた稲が少し伸びるとたちまち食い荒らしにくるという。一面緑に広がる棚田の美しい風景の裏には、人と動物との厳しい攻防があったのである。それにしても立派な柵が棚田と山の間に延々と建てられている。そしてその手前には、山村でよく見られる電気の通った獸害防止のフェンスもある。うかがうと、立派なフェンスやゲートの方は県が作ってくれたそうで、そのおかげで鹿の被害は減っているという。ここには何度も訪れているが、以前はそんな立派な獸害フェンスが無かった。そのことを伝えると、なんでも近くに観光農園が作られて、それをきっかけに県が作ってくれたとのこと。観光農園ができていなかったら、地元の人と動物との攻防がずっと続いていたということになる。農家にとっては作物が収穫できないことは死活問題。しかし個人でできる獸害対策はしれている。獸害に悩む農家は少なくない、というか山間部ではほとんどの農家がそれに悩まされているはず。丹誠込めて育てた農作物が収穫を待たず鹿や猿、猪などに食い荒らされてしまう現実。そういえばこの日も、やたら鹿の姿を見ることが多かった。









など思いながらオバちゃんの背中を見ると見慣れぬものが。暑さ対策で昔から使われてきたものだろうか、小さな畳のゴザのようなものがマントのようにかけられている。以前雨の中、蓑笠をつけて畑仕事をされる方を見たことがあるが、こういうものは初めてだ。風通しがよく強い日差しから身を守ってくれる夏の畑仕事の必需品として、ずっと使われてきたのかもしれない。無理かなと思いながらも「写真を撮らせてくれませんか?」とお願いする。「いややわーオニイちゃん。そんなん、恥ずかしいわ。今は誰もこんなんしてへんよ~。」と言われる。それでも「何とか・・」とお願いすると「まあ、後ろからやったらええよ。」と少々強引ではあるが撮らせていただくことに成功。





後ろ姿しかお見せできないのは本当に残念なのだが、日本の原風景を思わせるそのオバちゃんの姿は、段々畑に吹き上げる風の中で何ともすがすがしく爽やかに映った。そして、まわりにとけ込むかのような何の不自然さもないその風景に大いに心癒された。なぜこうした風景にホッとするんだろう?など考えたりもするのだが、素直にホッとするところはホッとして、眼下に広がる琵琶湖の風景を味わうのが一番。ということで、しばしこの風景を味わうことにした。






http://www.geocities.jp/kondodoraibuiko_ne021/index.html
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【2010/08/07 05:02】 | 滋賀県山村・廃村・自然 | page top↑
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