スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告 | page top↑
#207 旧・木沢小学校(長野県飯田市南信濃)
~旧・木沢小学校(長野県飯田市南信濃)~






最近驚いたことがある。それは長野県の木沢小学校(長野県飯田市南信濃木沢)のこと。長野県の最南端、天竜川の支流である遠山川の山深き谷間の秘境‘遠山郷’、信州の奥座敷とよばれるその地に木沢小学校はある。といっても平成3年休校、平成11年廃校というように、すでに学校としての127年間もの歴史に幕を閉じており、子どもたちが元気に学ぶ姿が見られなくなってからも20年近くの歳月が過ぎている。つまり正しくは、旧・木沢小学校ということになる。写真にあるようにその校舎は大変美しい木造校舎。昭和7年に建てられたというこということなので、こちらも80年近くもの長い歴史を持つ。その間たくさんの子どもたちがここで学び、巣立ち、秘境の地の元気のシンボルとして村人たちと共に長きを歩んできた。





高度経済成長期の燃料革命やそれ以降の林業の不振などで山間部の多くの学校や集落が姿を消し、さらに近年の少子化等々の影響で、山間部だけではなく都市部でも多くの学校が姿を消している。これは今なお進行中で、この先も多くの学校が姿を消すことになるのだろう。これが普通の光景となってしまっている今の時代の中で、役目を終えたかつての学び舎のその後も多種多様。早々に解体され跡形も無く別のものに建て替えられていたり、空き地となってポツンと寂しげに廃校の碑だけが残されていたり、施設を公民館や宿泊場など別の用途として再利用されていたり、そして使われぬまま放置され廃墟と化していたり等々、様々だ。しかし今回訪れた旧・木沢小学校の木造校舎は、そのどれとも違った運命を歩んでいた。





木沢小学校の木造校舎、廃校となってからは、各種研修やコンサート会場などに臨時に利用されていたようで、これについては各地の廃校でもよく見られ、特に珍しいことではない。しかし、ここからが違った流れとなってゆく。地元の人たちが、自ら学び育った温かいこの木造校舎こそ木の村のシンボルとし、南信濃が誇る貴重な財産としてとらえたのだ。そして平成15年に木沢活性化プロジェクトを発足させ、そこを中心にして、各種イベントや写真展、旧木沢小学校児童や地元住民の作品展示、体験教室や体験ツアー等など、様々な取り組みがなされてきたのである。つまり、その場を使っての展示や交流などで新しいものを作るだけではなく、この木造校舎の学校としての当時の姿を残すこと、先人たちの思いを残していくこと、それらの大切さを見に来てくれる人の心に伝えようとしたのである。もう学校ではないが、学校として残し、多くの人に見てもらおうとしたのだ。このへんのことは「信州遠山郷」「ようこそ木沢小学校へ」の両サイトを参照させていただいた。そちらに詳しく書かれているので、ぜひご覧いただければと思う。









私が訪れた時は、当時の学校生活の様子や様々な写真やゆかりの品々、郷土の資料、遠山森林鉄道に関するものの資料など、大変貴重なものが所狭しと並べられていた。そして何よりも素晴しいのが、かつての木沢小学校の子ども達がいたころの様子がそのまま再現・展示されていることである。職員室、教室、そのままチャイムが鳴って、先生が廊下を歩いてやってきそうな、そんな感じがする。「起立!礼!」という声が教室に響きそう。小さな木の机やいすも当時のものなのだろう、本当に自然な感じでセンス良く再現されている。時間さえ許すなら、一日中でもこの雰囲気を味わって、思いっきり写真撮影などしてみたい、そう感じたりする。この日はあまりもの暑さのため残念ながら長くはいられなかったが、もう一度必ず来たい、そう強く思った。

辺境の地‘遠山郷’のこの旧・木沢小学校は、日本のチロル‘下栗の里’とともにけっこう有名なようで、インターネットで検索してもいろいろなサイトで紹介されている。詳しくはそちらを見ていただけるとよいのだが、何より現地へ訪れるのが一番。このような形で残されていることに驚きを感じ、この木造校舎への村の人たちや支える人たちの愛情を強く感じ、そしてそれにふれることで本当に心温かな気持ちになれる。木造校舎そのものも貴重な展示、そう思われるこの旧・木沢小学校、入場無料というところにも地元の人たちの思いを強く感じたりするのである。









今も日本の各地には多くの廃校舎たちが残り、壊され、そして増え続けている。そこには地元の人たちや巣立っていった者たちの多くの愛情や温かな思いが宿っているはずだが、それ以上どうすることもできず最期を迎えるのを待つだけ、という廃校舎も少なくないだろう。金のかかるもの、採算の取れないものは次々消されていくこの時代、旧・木沢小学校の存在は何かとても爽やかで、心救われた気分になる。伝わってくるものは限りなく大きい。この試みが今後も継続し成功することを、心より願うのである。





http://www.geocities.jp/kondodoraibuiko_ne021/index.html
関連記事
【2010/09/07 01:21】 | 木造校舎・廃校 | page top↑
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。