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#61 また一つ崩れた茅葺き家屋
~また一つ崩れた茅葺き家屋~

2年半程前の紅葉の季節に、峠越えのとある美しい山村を訪れた。あいにくの天気であったのだが、それでもその過疎の村は何とも美しい彩りで私を迎えてくれた。人の姿はほとんど見られない。廃屋も多い。そうした中で特に目を引く一軒の茅葺き家屋。もう人は住んでいそうにない。屋根は苔むして緑色に変わり、いつ崩れても不思議でない感じ。しかし、まわりの風景と完全に同化して自然の一部となっているその風景、何とも言えず堂々として美しかった。また、そこだけ時間の流れが他とちがうような、そんな感じもした。

あの茅葺き家屋はどうなったのだろう、そんな思いをずっと抱きつつ過ぎた2年半、ようやくこの5月に訪問が実現した。
しかしそこで見た風景は厳しいものだった。建てられておそらく百年以上、しかも主を失って久しいその老家屋にはもう厳しい冬を越す力は残されていなかった。屋根は崩れ落ち、わずかに残された苔むした茅部にかつての面影を残すだけ。この冬の大雪で崩れたのか、その前に崩れたのかはわからない。遅かれ早かれ崩れる運命にあった老家屋に、感傷的な想いを持つことは滑稽なことかもしれない。しかし、何とも切なくなってしまったのは、私の中で紛れも無い事実。

ふと顔を上げ視線を横にやると、春の日差しによる木々の影が、そんなに広くない道に投げかける美しいコントラスト。さらに見上げると木々のみずみずしい緑と青い空、涼しく心地よい風。それらは切なさで一杯になった私をわずかに癒してくれた。
しかしすぐに「この集落自体、いつまで村としての美しい姿を保っていられるのだろう」という思いが浮かぶ・・。

今は春、もうすぐ梅雨。そしてそれが過ぎたらこの山間の小さな集落にも、虫の声のにぎやかな暑い夏がやってくるはず。








http://www.geocities.jp/kondodoraibuiko_ne021/index.html
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【2006/05/20 00:00】 | 福井県山村・廃村・自然 | page top↑
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