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#63 かけがえのないもの
~かけがえのないもの~

廃村などを訪れると、家屋は朽ち果て残骸と化していても、お墓はいつまでもきれいに手入れされて真新しい花が供えられている、という光景をよく目にする。廃村となるくらいなので、かなり山奥で不便な所であるというのは間違いない。のび放題の草が狭い山道を更に狭くし、路面には多くのとがった石が転がる。路肩もひび割れ心もとない。そんな道を走っている時、ふと現れる手入れされた墓石ときれいな花。周りの荒れた様子とのギャップが激しいだけに、よけいにそこだけが目立って見える。何かやさしい光にそこだけが照らされ包まれている、そんな感じさえする。

先日、ある廃村(冬季無住集落か・・)を訪れた。人が住まなくなったその集落の中央あたりにある戦没者の鎮魂碑。その周りを一人のお年寄りが丁寧に草引きをされている。奥にはきれいに花が供えられているのが見える。うかがうと「暑い時も雪が降る時も、一年中来てますよ。」とのこと。こうしていつも手入れに来られるのは、今はもうこの方だけになったそうだ。
その方ご自身は入隊直前で終戦をむかえたので、戦地へは行かれていないという。しかしここに眠る戦没者たちとさほど変わらない年齢。小さな村のことだから、おそらく幼い頃から一緒に学校へ行ったり山や川で遊んだりなど、亡くなった方たちとの思い出は深かったことだろう。山深い小さな村の世界しか知らないまま、遠く離れた異国の地で命を落とし、生きて故郷に帰ってくることのできなかった若者たちを、残された者も決して忘れることはない。本来ならばそんなに早く消える命ではない、その悲しさやさみしさ、無念の思いは計り知れない。

戦争が終わって60年以上が過ぎた。
「何でこの村だけこんなに多くの戦死者が出たのか・・。隣の村も、こっちの隣の村も誰も死なんかったのに・・。」と静かに語る老人。山奥の厳しい環境の中でも欠かさず通い続け、碑を丁寧に手入れし花を供えるこの老人の戦没者への思い、それは故郷の地を踏めなかった戦没者たちにとっては本当に、かけがえのないもの。亡き人を思う心、その心が絶えることなく過ぎた何十年、その思いは人のいなくなった村を今なお故郷として保ち続けている。

今はまだこの「かけがえのないもの」が、過疎となり廃村となった各地の集落跡で見ることができる。そこで故郷への思いを感じることができる。人がいなくなった村、姿を消そうとしているそのような村であっても、今なお多くの物語が続いているということを、いつまでも感じていたいと思う。


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http://www.geocities.jp/kondodoraibuiko_ne021/index.html
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【2006/06/03 00:00】 | 滋賀県山村・廃村・自然 | page top↑
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