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#77 谷にあった保育園
~谷にあった保育園~

荒れた雑草の中に見える、鎖から下の台座の無い錆びたブランコ。奥には梯子部だけが残る滑り台。
この草に覆われた細長い小さな空き地、ここは、かつて保育園だった所だ。谷間の山村の小さな保育園。在りし頃には、幼い子どもたちと保母さんたちのにぎやかな声が、清流の谷間に元気にこだましていたことだろう。
ここから少し奥へ行った所には小学校の分校もあったが、数年前に取り壊され今はもう何も残っていない。また更に奥の最奥の集落にも分校があったが、もちろんここも今は何もなく、ただ分校跡の碑がひっそりと残るだけ。

村から学校が消え、保育園も消え、この地から子どもは消えた。近くの鉱山で働く屈強な工夫たちが行きかい、バスが走り、登山客や風穴見学の客が奥の旅館へ訪れていたのは、今からもうずっと昔の話。今聞こえるのは、清流の流れの音と時折通る車の音だけ。その静けさから、かつての活気あった谷の風景を想像することはどうしてもできない。そう思っていると、涼を求めて川遊びにやってきている若い人たちのグループのにぎやかな声が聞こえてきた。何かそれにホッとする。

保育園の裏の木は、まだ紅葉には早いのに赤く色づいたように見える。屋根の赤い色が反射しているのだ。しかしそれが妙に寂しく切なく映るのは、やはりこの地の集落がダム建設のため立ち退きとなるということを思うからなのか・・。
今は子どものいなくなった保育園だが、一人のお年寄りがそれをしっかりと見守り続けている。建物の損傷が激しくなっているが、それでもその地を離れずしっかりと守り続けているのである。

ダム建設計画が当初の予定通りゆくのであれば、あと2年でこの集落の建物は全てなくなり、静かなこの地に大型ダンプが行き交うこととなる。子どもが消え、人が消えゆくこの谷に、ダム建設により歴史を閉じようとする村が、今一つある。








http://www.geocities.jp/kondodoraibuiko_ne021/index.html
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【2006/09/11 00:00】 | 滋賀県山村・廃村・自然 | page top↑
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