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#93 久しぶりの芹谷
~久しぶりの芹谷~

多賀町芹谷。かつては『芹谷村』として一つの行政区分が存在していたが、今はもう地名としては存在せず、谷の呼び名として残っているだけ。

周囲の山々の標高は決して高くないのに、妙に山深い印象を感じさせてくれるこの谷。重苦しい杉林の緑と、両側から迫る急峻な山の斜面がそのような印象を持たせるのだろうか。奥へ行けば行くほどその印象は強くなり、日差しも遠くなる。その迫る山の隙間を縫うように流れるのが芹川。そこを流れる白く透明な水は、この谷の重苦しい雰囲気を随分と和らげてくれているように感じる。鈴鹿の北端近くに位置するこの谷間の地には集落がいくつか存在するが、その大部分は過疎化が激しく、廃村と過疎の村が入り混じる。谷を流れる芹川沿いに点在する集落、そして川からかなりの急坂を山間部に入ってゆくと現れる集落、ともにその風景は何とも言えず物悲しく寂しいが、それが私にとってはこの上も無く美しく感じる。この美しい谷に魅せられて、一時期は毎週のようにカメラを持って訪れていたものだ。

初めて訪れた時、確か天然記念物に指定されている「河内の風穴」を見学に行った時だったと思う。その時は「何と道が細いんだろう」という印象が強く残っている。両側が山に挟まれた圧迫感と日差しの少ない薄暗い道を車で走る不安感、それらによって重苦しさでいっぱいになった時、道沿いに現れた小学校にホッとし安心したものだ。ちっちゃな子どもが普通に通っている道に不安を感じてどうする、そんな感じで元気づけられた。しかしこの「多賀小学校芹谷分校」も今は姿を消し、もう見ることはできない。記録を見ると平成5年に多賀小学校に統合されたとあるので、私が見たのは廃校となる直前だったようである。道もずいぶんと広くなったが、かつてあった風景が変わりつつあるのも事実。

久しぶりに見た芹谷、やはりその風景は美しく、独特の雰囲気は何ともやさしく私を刺激してくれる。本当に心安らぎ癒される。道には年末に降った雪がまだ残っており、とっくに溶けてしまった谷の外の風景との違いに改めて驚く。歩く道も凍結で足元が不安になるが、それもなぜかホッとする。川を見る。水量は多くなかったが、石灰分を含んだ水は相変わらず白く美しい。この白い水、川底の白い石は、ここを独特の風景とするのに一役かっている。時折通る車は地元の方と思われる小さな車。谷の道を走るのにピッタリの車だ。道に映る木々の影、道の脇の老家屋やかつて家があったことを示す苔むした石垣、狭い空からのぞく太陽、それを反射した川面の光、そのどれもが心の中に心地よく響く。

しかし、谷の安らぎに浸ろうとしていたその時に無情に電話が鳴り、そして現実へと引き戻されてしまう。

久しぶりの芹谷の訪問は、わずかな時間で終わることとなってしまった。それでもこの谷の美しさを十分に味わうことができた喜びが、心に残る。きっとまた再び「谷通い」が始まるだろう、そんな気がしてきた。







http://www.geocities.jp/kondodoraibuiko_ne021/index.html
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【2007/01/15 00:00】 | 滋賀県山村・廃村・自然 | page top↑
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